森の黒熊亭 #Role Playing Guild

ウルティマオンライン飛鳥サーバーで活動するロールプレイ酒場『森の黒熊亭』の日々

『MMORPG内でのロールプレイにおける世界観の共通認識』

*こちらのカテゴリーでは私の個人的な経験・知識によるロールプレイへの思いや考えを書いています。記載の仕方が押し付けのように感じるかもしれませんが、あくまで一つの意見として軽い気持ちでお受け取り頂ければ幸いです。

 

MMORPG内でのロールプレイにおける世界観の共通認識』

 

MMORPGでロールプレイを行うとき「世界観の共通認識」は重要なことになりますが中々難しいことのようにも感じています。

 

私が過去に経験したロールプレイの場では「ゲーム的な数値・用語」というものは余り使わないようにしようというのがルールとしてありました。(どちらかというと一般的なルールかと思います。)

 

例えば、下記のような形です。

 

Mageryのスキルがようやく100になったよ」

INTSTRの数値のバランスに悩む」

「今のスキル構成はSSTacticsHealing…」

「この剣のダメージは13-19で…」

 

上記のような会話はいかにもゲーム的な会話になります。なのでロールプレイをするときはそういったスキル名や数値といったものはあまり使わないようにしています。

 

これは私が昔から持っていた「MMORPGにおけるロールプレイのお作法」とも言うべき考え方であったのですが、最近はいろんな考え方があるのではないかと思っています。

 

近年、比較的良くみられる形として「ステータス」「スキル」などをそのままゲーム的に描いている漫画やアニメは多くみられます。(例:『盾の勇者の成り上がり』等)

 

違和感があるかというと意外とそうでもなく、ゲーム的なものがあたかも普通にあるような世界観に設定されているからだと考えています。

 

一般的にそういった漫画で多い形式は「異世界転生もの」だと思いますがMMORPGでロールプレイをするのは、その世界に飛び込んだ感覚ともいえるので、それに近いのではないかと思います。

 

そのため、「ゲームのような世界」を普段からイメージしていると、上記で記載したようなゲーム的な会話をすることも余り違和感がありません。スキルツリーやステータス画面はプレイヤー自身が体験しているものでもあるため、そういった数値的な会話をする方がむしろ普通だと感じる方すらいるかもしれません。

 

「いやいや、ちゃんとブリタニアで生活しているNPCたちのように振舞うのが正解だろう!彼らの世界にはそんなゲーム的な要素はなく、もっと中世ヨーロッパ風の魔法と剣の世界だ!」

と反論したくなる気持ちもあるのですが、ゲーム内では下記のようなNPCとの会話もあります。

 

 世界観


このクエストの依頼はいかにもNPCが発言しているような形式で綴られていますが内容はInscription、スキル、50などなど…ゲーム的な用語でいっぱいです。

 

ちょっと見方を変えてみると、もしかしたらブリタニアの世界では私たちがゲーム画面で見ているようなステータス画面、スキルツリーなどを自分の前にポンっとポップアップさせて確認出来るのかもしれません。そういう世界観の認識でロールプレイをするのもまた一つの面白い形と言えます。

 

かといって、世界観に関してお互いの共通認識が余りにもずれた状態で一緒にロールプレイをするというのは面白くはありません。

 

現状では#RPGGMとしては当初より考えているように「ゲーム的な数値・用語」は出来るだけ無くした形でのロールプレイをギルドの共通認識としていきたいと考えていますが、自分の考え方が全てではないという一例として挙げさせていただきました。

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『タックマンモデルから考えるロールプレイギルドのチームビルディング②』

 『タックマンモデルから考えるロールプレイギルドのチームビルディング②』

 


前回は、タックマンモデルからギルドのチームビルディング形成時期の記事を作成しました。

『タックマンモデルから考えるロールプレイギルドのチームビルディング①』

今回はその中で乗り切る技術が最も必要な時期「混乱期」を如何にして乗り切るかを考えてみます。

 

1.「混乱期」についてのおさらい

タックマンモデル


「混乱期」とはチームの目標に対して意見の食い違いが生まれ、各自の対立が生じる時期です。この時期はチーム形成においては必要な段階であり、ここを避けて通ると何かしらの不満・不信感が残ると言われています。特に日本人は衝突を恐れやすい性質があります。

 

一般的にはこの時期を避けて起こる状態が「陰で文句を言う」です。「上は分かっていない」「あいつは分かっていない」などと飲みながらネタにしたりするのは日常社会でもよくあるものだと思います。

 

混乱期はチームのパフォーマンス向上に必要ですが単純に対立するのが望ましいわけではありません。適切な対立方法を知らなければ、感情的になりチームは崩壊、関係は修復不可能となります。だからこそ、無意識にこの時期を恐れ、争うことを避ける方も多くいると思います。

 

そして難しいことはこの適切な対立方法をチーム全員が知っておかなければ危険ということです。

 

2.「混乱期」の乗り越え方


①「混乱期」がチームを機能させるためのものであると理解すること

 

第一に大切なことは、この時期が喧嘩をするためにあるものではなく、チームのパフォーマンス向上のためであるという共通認識です。そういう風に考えることで対立意識は減るものだと思います。

 

問題をある程度、客観的に捉えた上で自分の意見も客観的に考えながら述べることが重要だと思います。

 

②お互いの意見を尊重したフィードバック

 

相手の意見を尊重するには相手を否定するのではなく自分の意見を述べるということを意識することが大切になります。

 

具体的には下記のようになります。

 

「あなたのロールプレイの考え方は間違っている。こうしてください。」


「私はロールプレイ的にはこうしてもらった方が良いと思っています。こうしてくれると助かります。」

 

上の二つはほとんど同じことを言っています。ただ大きく違うのは「私」が主語であるか「あなた」が主語であるか、です。

 

不思議なものですが主語が変わることで言われた方にとっては、同じような意見が攻撃的なものに変わります。前者は相手を否定するようなニュアンスになるため、言われた方は言い負かされまい・自分が正しいと論破したい、という防衛的な意識が生まれます。その結果、お互いに相手を否定し合うという悪循環となります。

 

「あなた」を「私」に変えるだけで相手はその意見を噛み砕き、歩み寄る心の余裕が出来ると思います。

 

②善い悪い・正しい正しくないを論じない

 

善・悪や正・不正は立場や倫理観によって変わるものだと考えています。

 

何が善いことで、何が悪いことなのか?

何が正しいことで、何が正しくないことなのか?

何が普通で、何が普通ではないのか?

 

これを論じ始めると、必ず相手を否定することになると思います。

またこれらの感覚はこれまで、その人が歩んできた人生で変わります。

特に倫理観は説得されたとしても突然変える、ということは極めて困難です。

 

それが長年の付き合いのある尊敬すべき人生の先輩であるならまだしもゲームで出会った相手に説得された程度でこれまで培ってきた倫理観は変わりがたい気はします。大体は説得を続けようとする相手からは離れるか対立し続けるのではないでしょうか。

 

なので、善悪・正不正の話をするよりは単純に「好むか好まないか」で話す方が望ましいと考えます。

 

③「心理的安全性」の確保

 

以前にも話したことがありますが心理的安全性とは「集団の中で他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰を与えるようなことをしないという確信を持っており、対人関係のリスクをとるのに安全な場所であるという信念がメンバー間で共有された状態」です。

 

つまり、自分の意見を言うことで場を乱したり、誰かに嫌われたり、誰かに馬鹿にされたりするような不安がない状況です。

 

どんな意見を言っても大丈夫!

自分の本音が言える!

 

そんな心理的安全性が築かれた組織は各自の行動は一致団結していないように見えても強固な形だと考えます。


「混乱期」は各自が考える「問題点」のベクトルがそれぞれのメンバーに向かい合います。それはギルマスに対してかもしれませんし、他のギルドメンバーに対してかもしれません。

ここを越えると「問題点」のベクトルがチームにとってのものになるとされます。ギルドにとって何が問題なのか、どういう問題点があるのか。そちらの方に考えが至るとチーム内での対立が少なく意見を出し合える「統一期」へ移行したと考えても良いかと思います。

 


 

タックマンモデルは1965年に心理学研究者のブルース・W・タックマンが提唱した理論だそうです。何十年も前から人の付き合いというのは変わらないものだなと思うとコミュ力があるだのないだの、なんていうのは小さい問題な気がしてきますね。

 

以上、タックマンモデルから考えるロールプレイギルドのチームビルディングでした。

ご一読ありがとうございました。

 

良いUOライフを。

『タックマンモデルから考えるロールプレイギルドのチームビルディング①』

『タックマンモデルから考えるロールプレイギルドのチームビルディング①』


こんにちは。以前に「集団凝集性」という考え方からギルドのパフォーマンス向上について書いてみましたが、今回は「タックマンモデル」というものからギルドを考えてみようかと思います。相変わらず気持ち悪い考察なので興味がある人だけのんびりお読みください。

 

「タックマンモデル」とはある種のチームが形成されるまで(チームビルディング)の段階を現したモデルです。恐らく、どんな方でも何らかの集団に属したことはゲームの世界だけでなく現実の世界でもあると思いますが知っておくととても有益な考え方だと思います。

 

タックマンモデルには大きく分けて下記の4つの段階があります。

 

「形成期」(Forming

 

「混乱期」(Storming)

 

「統一期」(Norming

 

「機能期」(Performing

 

チームを形成する過程では必ずこの4つの発展段階を経験すると言われています。


この4つの段階で最も危険な時期が「混乱期」です。

はっきり言って、ここをどう乗り越えられるかが一つの勝負どころと言えます。

 

それでは一つずつ説明を踏まえながら、ギルドというチームの形成を考えていきます。

 

    形成期(Forming

 

チームを結成した場合に、最初に起こる状態です。いわゆるチームが結成されたばかりの時期ですね。集団としての力は脆弱、お互いの信頼関係も低く、相手のことも良く分からないことから人間関係にも不安、緊張、遠慮が生まれる時期です。これは新しく加入したメンバーなどが最初に感じるものでもあります。この時期は逆に言うとお互い気を使っているので殆ど揉めることはありません。いわゆる「表面上の付き合い」です。

 

MMOでギルドを作る場合は最初から仲が良いというケースもありますし、リアル知り合いという可能性もあるので必ずしも起こりえない時期なのかもしれません。

 

    混乱期(Storming

 

メンバーがお互いの主張をし始め、対立が起こる時期です。これはチームを作った場合、必ず起こりえるとも言われています。

 

この時期はある意味では①よりチームとして前進しています。それは遠慮や緊張がなくなり「本音」を口にするようになったからです。

 

しかしこの時期が最も危険なのは、この対立が原因となりチームが崩壊する危険性を兼ね備えているからです。

 

ロールプレイギルドの場合では「そんなのはロールプレイじゃない」「こだわりすぎ」「敷居が高すぎる」「敷居が低すぎる」「矛盾している」などなど多数の意見が出ます。

 

実際、この時期はこういう対立で#RPGを抜ける人もいました。ロールプレイヤーでも「自分の理想とするロールプレイ」は人によって違います。その違いがあることを理解しなければチームの一員を続けていくことは難しい印象があります。自分の理想とするロールプレイの考え方を変える必要はありませんが所属するギルドが目指している目標に合わせれるかどうかは重要だと考えています。

 

ただ、どうしても合わせれない場合は無理に所属している必要はないとも考えています。

あくまでゲームなのですから自分が所属して楽しい場所を選ぶべきです。

 

そしてこの混乱期が訪れないまま進んでいくのも実は危険とされます。いわゆる「全員、仲が良くて喧嘩がないよね!」ということなのですが、それは何らかの力で全員が「抑圧」されています。そのためどこかで大爆発による崩壊を起こす危険性を持っています。100%価値観が合う人間は存在しません。

 

ただ特に目標を立てないタイプのギルドであった場合は、その範疇に当てはまらない気もします。そういうギルドであればそもそも、チームのルールというものがあまり存在しないように思うからです。私もロールプレイギルドというものが好きでなければそういうギルドに所属していた可能性が高いと思います。

 

    統一期(Norming

 

混乱期を乗り越え、ある程度、共通の規律が出来上がった時期です。

 

ロールプレイギルドで言えばギルドの目標、役割、スタンスなどがある程度、明確になった状態です。目標がしっかりと共有され、ギルドのルールの下でまとまった状態で、かつ、それが苦痛ではない時期と言えます。

 

また各自が自身の役回りを認識して、どのように動くべきかを理解する時期。またメンバー同士がお互いの行動や思考の特性を容認できるようになる時期でもあります。

 

どんな人間でも「強み」「弱み」「得意分野」「不得意分野」があります。大事なことはそれをどう生かすかだと思います。各自の個性が強く発揮できる形を意識することは重要だと思います。

 

ここまでの時期に辿り着くことでギルドという集団は安定すると考えています。

 

    機能期(Perform

 

集団が自立的に行動し、成果を生み出せるようになるステップです。リーダーが主に取っていた指揮をメンバーに委ねていくことで、各自が自立したアクションを起こせる時期です。

 

ギルドで言えばギルドマスター以外にギルメンが各自で独自のイベントを開催したり、独自のコミュニティをギルド内で作成することが出来る時期です。言わば既にギルドが一つのチームとして完成し、勝手に動いているような時期だと思います。

 

#RPGでは「プレイヤーイベント」「ギルド内コミュニティ」という二つのシステムを作っており、GM以外がある程度自由にアクションを起こせる体制にしています。ここから新しいシステムが生まれればいいなと思います。

 

この4つの段階に加えて、チームの解散段階(散会期)というものも一応あります。

これは目標の達成や時間的な制約でギルドが解散する時期です。チームとしては終了するで特に問題はありませんが「次の進路」を考えるというのが必要な時期ではあります。



 

MMOのギルドの難しい点は、新メンバーが増えたとき、一旦は「形成期」に戻ってしまうことです。そのため、せっかく乗り越えた「混乱期」が再び訪れることもあります。

 

大切なことは、この「混乱期」というものが「必ず起こりえるものである」と認識しているメンバーが多くいるかどうかだと思います。そのメンバーが増えれば増えるほど「崩壊を起こさない正しい対立」を生むことが出来ると考えています。

 

長くなりましたので、この「混乱期」をどう乗り越えるのが良いのかは次の記事にしようかと思います。

 

 

 

『ギルド内でのプレイヤーイベントの感想と考察⑩』

『ギルド内でのプレイヤーイベントの感想と考察⑩』


*当ギルドでは各プレイヤーによるイベントの立案、実行を推奨していることは以前に別の記事で記載しました。こちらではこれまで行ったイベントを振り返って感想と考察を行っていきたいと思います。


No.14 『騎士ドンキ・ホエール』

 

ドンキ2


イベント『騎士ドンキ・ホエール』は全五回で構成された長期イベントです。

失われた「名声」を取り戻すために冒険に出た老騎士ホエールを黒熊亭の冒険者たちが手助けするというストーリーで、このイベントは始まります。

 

第一回~第四回までは魔女コーラ、海賊、そしてエクソダスの討伐と単調なイベントになっていますが、実はホエールは魔法の本『ドンキ・ホエール』から飛び出した本の登場人物であることが最終回で明かされるという作りになっています。

 

ドンキ43


ドンキ33


魔法の本『ドンキ・ホエール』は、本の内容が飽きられたり、古くなったりすることで読まれることが少なくなってきたとき、主人公である騎士ホエールが本から飛び出し、自ら新たな冒険を繰り広げます。その後、彼が本に戻ると彼が経験した新たな冒険譚がその本に記載されるという設定で作られました。

 

このイベントについて説明する前には、まずMMORPGというものの特異性があります。

 

MMORPGはフィクションでしょうか? それともノンフィクションでしょうか?

私は、MMORPGはその二面性両方を持ったものだと考えています。

 

Ultima Onlineの世界。これは間違いなくフィクションの世界です。魔法があり、モンスターがある。いわゆる典型的な中世ファンタジーに近い形だと思います。

 

しかし、MMORPGである以上、その中には沢山のプレイヤーたちがいます。そのプレイヤーたちが体験していること、これは実体験でありノンフィクションの物語だと思います。

 

イベント『騎士ドンキ・ホエール』にはこの二面性が入り乱れています。

 

Ultima Onlineという世界で公式設定にない魔法の本『ドンキ・ホエール』はフィクションの世界の中に作られた、さらにフィクションの本と言えます。

 

しかしプレイヤーたちにはホエールと冒険をしたという経験があります。この経験自体は実話でありノンフィクションといえます。そして本の中へ戻るホエールを見ています。この出来事自体もプレイヤーにとってノンフィクションです。


MMORPG内のRPギルドでこのイベントを行ったことで、魔法の本『ドンキ・ホエール』はフィクションの中のフィクションという設定でありながらも、実際にプレイヤーが体験したノンフィクションの物語とも言えます。

 

そして、このイベントはある意味では終了後も続いています。

 

読む者がいなくなり、本がホコリを被るようになったとき、「ドンキ・ホエール」は「読者」を失っています。それをホエールは「名声が失われた」と言い換えていました。


ホエールが取り戻そうとしていた「名声」。それは「読者」を意味しています。

 

ドンキ47


今、魔法の本『ドンキ・ホエール』は黒熊亭の机の上に置かれています。そして、それを読みに来るプレイヤーたちこそ、ホエールが求めていた「読者」でもあります。

 

つまりゲームの外にいてPCを見ているプレイヤーたち自身も、このイベントに参加している最後の登場人物「読者」になりえます。この本が読まれれば読まれる程、騎士ホエールは「名声」を取り戻した、ということになるかもしれません。

 

フィクションとノンフィクションが繋がるような不思議な感覚がMMORPGにはありますね。



『集団凝集性から考えるロールプレイギルドのパフォーマンス向上と注意すべき事項②』

『集団凝集性から考えるロールプレイギルドのパフォーマンス向上と注意すべき事項②』


こんにちは。前回は「集団凝集性」(集団の構成員を、その集団に留まらせたいと思わせる動機付けの度合い。言わば、その集団に在籍していたいと思わせる魅力)を高めることでの集団(ギルド)のパフォーマンス向上について書いてみました。

 

小難しい言葉を使ってみましたが、実質はどんな方でも言葉というよりは本能的に感じているようなものなのではないかなと思います。ただ、この集団凝集性を高めるということを言葉にして意識していくことは安定性と連携が取りやすいロールプレイギルドになり、結果として全員へのメリットを生むことになるのではないかとも思います。相変わらず本気度がちょっと気持ち悪い考察ですが、気軽な気持ちでお読みください。

 

今回は逆に集団凝集性が高まることでのデメリットについて考えてみます。

まずデメリットは大きく分けて二つ『同調圧力による集団浅慮』『規範意識の低下』です。

 

ここからの話は既に集団凝集性がかなり高まり、プレイヤーが「このギルドを抜けたくない、所属していたい!」と強く思っている状況で考えてみてください。

 

1.同調圧力による集団浅慮


同調圧力とは集団において少数派の意見を多数派の意見が押しつぶす形のことです。ある事項があった場合、どんなプレイヤーにも何らかの意見があるはずです。しかし少数派の意見のメンバーは「和を乱したくない」「他のギルメンに嫌われたくない」「追い出されたくない」という意識が働き、反対の発言が出来なくなります。このことは組織の視野狭窄、会議の無意味化を生みます。所属していたいが為に自分の意見を封じ込める形ですね。

 

この状況になった場合、多数派の意見が明らかに間違っていたもの、浅はかなものであり、少数派(例えばギルメン一人だけ)の意見が正しいものであったとしても、多数派の意見が通ってしまう可能性があります。これが「集団浅慮」です。

 

リアルだと大きな会社や大学などで常識では考えられないような極端な意思決定がなされている場合はこの集団浅慮が働いてしまっている可能性があります。

 

RPGで言えば「自分たちのロールプレイの考え方が一番、優れていて正しい!間違った決定をすることはない!」というような極端な意見が多数派になった場合にそれを自浄する機能が働かない状態です。

 

この多数派という考え方はただ人数が多い・少ないというだけでなく、ギルド内でどのような立場か、ということも関わってくると思われます。例えば私のようなGMRP経験がこれまでに豊富なプレイヤー、初期から在籍しているメンバー、意見の押しが強い人などは意見の重要度が上がりやすい傾向になると考えます。会社で言えば社長や一部の重職など意見の重要度が高い人は必ずいます。これは集団において当然のことと思います。

 

2.規範意識の低下


これは簡単に言えば、「馴れ合い」です。過剰な仲間意識から必要な指摘や注意が無くなる状況です。例えば部活で言えば、「俺は練習前のランニング嫌だからやめとくわー」といったように規則を守らない部員がいたときに、それを許容してしまい、誰も注意をしない状況です。

 

RPGで考えると「RPするのめんどいから今後、俺は普通のプレイしながら参加するわー」というのを許容してしまうような状況でしょうか。規律性がないままに集団凝集性が高くなってしまった場合、こういった馴れ合いが生まれ、生産性(ロールプレイ)が低下してしまうことになります。これは前回の記事で記載した「対人凝集性(メンバー同士の仲の良さ)」が強くなったとしても「課題凝集性(自分の目的、課題の達成)」のバランスが悪くなってしまっている状況だと思います。

 

では、これらのデメリットを予防していくためにはどういった要素が必要になるでしょうか。一つは「心理的安全性」という考え方です。

 

3.「心理的安全性」が「高まった集団凝集性におけるデメリットに果たす役割」


「心理的安全性」とは「集団の中で他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰を与えるようなことをしないという確信を持っており、対人関係のリスクをとるのに安全な場所であるという信念がメンバー間で共有された状態」です。要は自分が意見を言っても、それがネガティブな影響を自分にもたらさないと感じれている状況ということだと思います。

 

この心理的安全性が高い集団では、自分の意見をリラックスした状態で話すことが出来ます。恐らく一般的には自分の家族、友人など近しい人間になればなるほど心理的安全性が高まるのではないでしょうか。

 


心理的安全性に関わる要因はいわゆる「不安」です。「無知だと思われる不安」「無能だと思われる不安」「邪魔をしていると思われる不安」「ネガティブだと思われる不安」、こういった不安が率直な意見や行動を阻害し、集団の質とパフォーマンスを低下させます。

 

こういう意見を言ったら悪く思われるんじゃないかな…、こんな質問したらレベルが低いと思われるんじゃないかな…という不安があって誰も喋らない会議とか勉強会みたいなのってありますよね。あれは心理的安全性が低い会議で実は生産性が低いわけで、私もそう思っています。

 

なのでこういった不安を誘発させるような発言・態度をしないこと、そしてそれをメンバー間での共通認識としていくことが大事だと思います。


ちなみに、これは少数派の意見を必ず取り入れて折衷案を出していく、という意味ではありません。当然ですが「ロールプレイをしたい」「ロールプレイをしたくない」など極端な二つの意見の折衷を出すことなどは不可能です。最終的にはどの案を取るか、どの決定をするかという決定は多数決だけでは決めにくいものです。例えば「ロールプレイをしたくない」という意見が仮にギルド内で私以外全員だったとした場合、多数決の意見に従えば「ロールプレイをしないロールプレイギルド」が誕生します。それでは私がギルドをしている意味はなくなるので「解散」という形になってしまうでしょう。

 

大事なことは「意見自体」を評価するのであって「誰が」発言したかということに関して責めることはしないということです。そして意見が通らなかったプレイヤーに自分が否定されたと感じさせないことです。

 

結論としては心理的安全性を高めることにより誰もが意見しやすい環境を作ることが集団浅慮を防ぎ、また馴れ合いによる規範意識の低下は、集団規範意識を高めることで予防していくことが重要になると考えます。

 

以上、ロールプレイギルドに関して、集団凝集性の考え方を参考にメリット・デメリット、そしてその予防に関して文言化してみました。長文お読みいただき有難うございました。


良きUOライフを。