Ultima Online TRPG ⑦アイテムについて
Ultima Online TRPGではアイテムや装備品の類は考えてはいますが、まず装備品に関しては現在、実装していません。理由はシステム面での複雑さを無くすためですが、慣れてきたらキャラメイクには繋がるので追加したいなとは思っています。
アイテムに関しては価格を決めてはいますが、無視してもらって結構です。現時点ではシナリオ毎に設定したものを一律に手渡します。これも最初のアイテム選択に悩む時間を減らすためと、何度かやってみないと選択する基準も難しいように思うためです。いずれは自由選択を考えたいですが。
そのため、アイテムに関してはあまり気にすることはないのですが、最も大切なことは「発想次第でどんな使い方も可能」という点です。油をまいて火をつけることも出来ますし、油で錆びた扉を開けることが出来るかもしれません。たいまつに火をつけることで暗闇が見渡せるかもしれませんし、逆に見たくないものを見てしまうかもしれません。また、火は何かを燃やすのに使えるかもしれません。どういう場面で使用するか、考えながら遊んでみて下さい。
今回でシステムに関する解説は一旦、終了となります。それではUltima Online TRPGに興味を持たれた方のご来店をお待ちしています。尚、気になる点があるかたはブログへのコメント、Twitter、メールなどでお受けします。
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Ultima Online TRPG ⑥戦闘のルール その2
前回の記事では大まかな戦闘のルールを開設しましたが、今回はダメージの計算方法について話して行こうと思います。
4. ダメージ計算
Ultima Online TRPGでは「回避」がありません。つまり全ての攻撃が当たることにはなります。これはプレイ時間の削減が目的です。主にダメージ計算は下記の式でなされます。
関係してくる数値は主に三種類です。
①
ダメージ判定値
②
物理抵抗値
③ 魔法抵抗値
魔法はそれぞれによって効果は異なりますが、ダメージ判定値は基本となるSTR+戦闘スキル値、それにダイスロールを加えた値になるものが多いです。つまり物理的な攻撃に関しては「STR」と「戦闘スキル値」にどのぐらい割り振ったかが大きく影響すると思ってもらえれば結構です。
また物理抵抗値に関してはParryingのスキル値が、魔法抵抗値に関してはResisting Spellのスキル値が適応されますので、これらに割り振っておくことで守備の固いキャラクターを作ることが可能になります。ただし、遠距離攻撃に関しては近接攻撃との差別化のため、「接近している状態(お互いに前衛など)」ではダメージの結果が半分に減少するようなシステムにしています。近づかれると弱い、というイメージを持ってもらえれば結構かと思います。
5. 死亡について
キャラクターのHPが0になると死亡し、蘇生されるまで行動不能となります。
6. アイテムの使用
アイテムはそれぞれ何らかの効果があることが多いですが、用途とは違った使い方をGMに相談することも出来ます。例えばたいまつをスライムにぶつけてみる、といったことも許可が出るかもしれません。自由な発想で戦いに挑んでください。
7. 戦闘からの離脱
今後変更する可能性もありますが、現時点ではシステム上、戦闘からの離脱はありません。一旦戦闘になった場合はどちらかが倒れるまで戦闘は続きます。
以上で戦闘のルール解説を終了します。ここまで読んで頂きありがとうございました。
Ultima Online TRPG ⑤戦闘ルール その1
難渋している戦闘ルールについてです。一般的にTRPGでの戦闘はダイスをころころ転がしまくるものなので、UO内でしていると結構煩雑です。またルールを知らないプレイヤーに説明しながらすると、他のプレイヤーがその間待つことになるので、これもまた退屈な時間が流れてしまいます。そのため、出来るだけ時間を省けるように調整していっていますが、そこに戦略性も必要なのでシンプルかつ奥深いものが欲しいところです。現在は以下のルールで適用していますが今後の中で変わっていく可能性があることはお伝えしておきます。
今回のパーティはプレロールドキャラクターから「ルナの聖騎士」「森の狩人」「妖艶な魔術師」の3人を組ませます。冒険中、彼らはオークとリッチのモンスターと戦うことになったとします。それぞれのステータスは以下の通りになります。
1.HPとMANA
最初に戦闘に関わってくることが多い数値として「HP」と「MANA」があります。ステータスの記事では記載しませんでしたが、HPは「STR×10」、MANAは「INT×5」で計算されます。HPは0になると死亡し、行動不能になります。MANAは魔法や特殊技能で消費していきます。この辺りは何となく分かるかと思いますので割愛していきます。
2.戦闘の開始とターン制
今回の場合ですと、「森の狩人」→「妖艶な魔術師」or「オーク」or「リッチ」→「ルナの聖騎士」の順番になります。真ん中の三人に関しては戦闘開始時にダイスロールを行うことで順序を決定します。
3.前衛と後衛の位置取りについて
最も重要な前衛と後衛の位置関係について解説していきます。戦闘に参加する全てのキャラクターは、『前衛』もしくは『後衛』に位置取ります。
今回は下のような図で前衛、後衛に分かれたと仮定します。
1)近接攻撃について
近接攻撃は1マス先を攻撃できる戦闘手段です。そのため、このような場面ではお互いの前衛同士しか、近接では殴り合えない形になります。その代わり、後衛の二人は敵からの近接攻撃を受けなくて済むことになります。
2)遠距離攻撃・魔法について
遠距離攻撃(弓、投擲)と魔法は主に2マス先を攻撃できる戦闘手段です(魔法は効果によって違いはあります)。自軍の後衛にいるキャラクターは敵の前衛まで攻撃することができ、逆に敵軍の後衛にいるキャラクターは味方の前衛まで攻撃することができます。
この場合、お互いの後衛は安全に戦うことが出来ますが、仮に相手のリッチの魔法が危険なため、早めに倒しておきたいと考えたとします。その場合、キャラクターは1ターンを消費して、前後に移動することが出来ます。
3)前後の移動
下図のように狩人と魔術師は前衛に移動することで、リッチまで攻撃が届くようになりました。
しかし、同時にこれは相手からも攻撃の的になります。前衛に移動したことでオークの近接攻撃、リッチの魔法攻撃両方を受けることになり、場合によっては1ターンで死亡する可能性もあるでしょう。この辺りのリスクを背負って前に出てくるか、後衛で安全に戦うかが勝負の駆け引きとなります。
ただし前衛に誰もいない場合、後衛は前衛扱いとなります。そのため全員が後ろに下がることは出来ません。また前衛のキャラクターが戦闘不能になった場合も、いないものとして扱われます。「壁」がいなくなる、と思ってもらえればいいかなと思います。
今回は「HP、MANA」「行動順序」「前衛・後衛」について解説しました。恐らくやってみればすぐに分かるとは思いますので、何となくご理解頂ければ十分です。
次回は戦闘におけるダメージの計算方法などについて説明していきます。
Ultima Online TRPG ④自由な発想、即興により紡がれる物語
TRPGは取っ掛かりにくい点はありますが自由度の高いゲームであり、発想とイメージ次第で無限に膨らませることができる遊びだと思います。そのあたりの面についても解説していこうかと思います。
前回までの記事でも書いたように、TRPGでは様々な「行為判定」がなされます。それは「鍵開け」「罠の解除」「窃盗」「薬剤知識」「書物知識」など非常に多彩です。では、どのような判定がなされるかは全てGMだけが考えることになるでしょうか? それは違います。
具体例をあげていきます。今回はプレロールドキャラクターとして下記のキャラクターを用いてみましょう。
このキャラクターは「Begging」のスキルを持っており、このスキルはUltima Online TRPGでは「交渉術」に長けていることを示します。
シチュエーション⑤ 扉を守る門番
あなたは、目的達成のためにある砦に入る必要があります。しかし、その砦の扉の前には門番がいます。仮にGMは戦いで門番を倒すことをシナリオの流れとして想定していたとします。
ですが、あなたのキャラクターは「したたかな物乞い」です。“戦いに自信がないな…”と思った場合は、GMに「交渉による説得を試みたい」と相談することが出来ます。
それに対してGMは交渉判定を許可し、即興で目標値を設定しています。ただし門番はとても実直な人間であったため、説得の難易度は高く、目標値を「16」まであげています。
ダイスロールの結果は「7」。したたかな物乞いの交渉判定の基本値は「INT4+Begging5=9」のため、達成値は16となり成功します。
その結果、戦闘を行わず、砦の中に入ることに成功しました。
見てもらった通り、本来のGMの想定していたストーリーとは違う場面が生まれたわけですね。
これは一例ですが、発想次第で無数の解決方法を見つけていける可能性があります。そして、魅力的な点はその過程がそのまま「物語」となります。そのためシナリオクリアのためのキャラクター構成を考えるよりも、自分のキャラクターの個性を生かしたクリアを目指す方が楽しいかもしれません。同じシナリオを行ったとしても、その物語はプレイヤーたちによって変わっていくのです。
Ultima Online TRPGではゲームとしてシナリオクリアを目指すのは一つの目標に過ぎません。各自の発想が新たな展開を生み、即興の物語を紡いでいきます。その作り上げられた物語を皆で楽しむことが本当の目的です。
もちろんあまりにも無理な判定やゲームの侵攻自体に支障を来すようなものはGMに却下される場合もあります。逆にGMもプレイヤーの発案を否定し続け、自分一人の物語にすることも望ましくないでしょう。
「会話や行動によってGMとプレイヤーが協力して一つの物語を作り上げること」。
これが私のTRPGで一番好きなところになります。
Ultima Online TRPG ③ステータス値+スキル値はどのぐらいが目安?
前回、前々回の記事で書いたように、ステータス値(STR, DEX, INT)とスキル値はTRPGでのゲーム中の様々な判定に関わります。(これを「行為判定」といいます)
では、この数字はどのぐらいを目安にしていくのが良いかについて解説していきます。
ステータス値はそれぞれ1~5、スキル値も同様に1~5となります。そのため、行為判定における基本値は『1~10』の範囲になります。判定における目標値はGM次第ではあるのですが私は目標値の設定を「10~14」辺りにしていることが多いです。その場合、基本値から見た大体の習熟度は下記のイメージで良いかと思います。
1~2 かなり不得意
3~4 得意ではない
5~6 普通
7~8 得意
9~10 かなり得意
少し話はそれますが、2d6(二つの6面ダイスを振ること)で得られる値の確率は以下のようになります。大体、7以上が出る確率が6割弱といったところです。
では目標値を設定した具体的な例を挙げていきます。
シチュエーション④ 目標値「12」が設定された行為判定
基本値が「2」のキャラクターが目標値12を達成するために必要なダイスロールの値は10以上となります。そのため、上記の確率から計算すると、成功する確率はわずかに16%。2割以下になります。これでは中々一発勝負で成功することは難しいかもしれません。
基本値が「6」のキャラクターが目標値「12」を達成するために必要なダイスロールの値は6以上となります。そのため、上記の確率から計算すると、大体7割ほど成功することになります。恐らく、実用性に耐えうる程度ではないかと思います。
基本値が「10」のキャラクターが目標値「12」を達成するために必要なダイスロールの値は2以上となります。そのため、上記の確率から計算すると100%成功することが分かります。
まとめると下の図のようになります。
つまり目標値が「12」という設定は、「かなり得意」なキャラクターには確実に成功する値であり、「かなり不得意」なキャラクターには厳しい数値だと思ってもらえれば良いかと思います。
この目標値を「10」にすれば、より簡単な行為判定になり、「14」にすると、より難しい行為判定になります。
図にすると上記のような感じですね。数値で言うと2ぐらいの差でもかなり大きくなってくるのが分かるかと思います。そして、かなり難しい判定にしたい場合は「16」などに設定することも可能ですが、プレイヤーにとって「達成できない、明らかに無駄なダイスロール」は馬鹿らしいものかと思いますので、その辺りのバランスは参加しているキャラクターの能力を見ながら考えていくのが良いかなと思います。